
なんか、最近、だれてきました。
ハワイネタも自分ながら疲れてきました。旅行はとっくに終わったのに、ブログでは、最初の滞在地のワイコロア・ネタがまだ終わってません。かといって、このままにしておくと忘れてしまって、次回、行ったときに困ることになるし、ジレンマです。
ところで、みなさんは、ベーゴマをご存知でしょうか?。
たぶん、年代的には私の2,3歳下の年代の人達が最後だと思います。
言わずと知れたテレビゲームを初めとする遊びの変化がベーゴマを駆逐してしまいました。
「悪貨は良貨を駆逐する」んですね。
当時、小学生の遊びといえば、メンコ(パッタ)、ベーゴマが主流。
特に、小学校低学年(2年生まで)はメンコで、3年生以上は、ベーゴマという住み分けがされてました。小学生の会話の中に出てる「ガキは、パッタでもやってな」とか「糞して寝ろ」という言葉が示すように、ベーゴマは大人になるために最初の試練でもあったわけです。
小学校も3年生になると、先輩たちの見よう見まねで、回し方の練習がはじまります。昔のことですから、親切に教えてくれる人なんかいません。みんなが門前の小僧でした。当然、習得までは時間がかかります。平均、1週間から2週間。勝負が成り立つまでには、一ヶ月近い練習が必要になります。
にもかかわらず、当時の小学生で回せない子供はほとんどいませんでした。
今風に言えば、ベーゴマを回せない子供というのは、車の免許が取れない高校生と同じような扱いです。簡単に言えば、相手にされません。相手にされないということは、当時の子供の世界では死を意味します。当然、みんな必死になります。その必死さが、かけがえの無い思い出になっているんですね。
で、当時は、ベーゴマを賭けてやってました。勝負に負ければ、ベーゴマを獲られてしまうんです。今では、考えられない世界なんですが、その過酷さが、さらに技術と能力を高めてくれる原動力になってるんですね。
ただ、当時は、「アブラムシ制度」という救済策がありました。
ベーゴマにか限らず、かくれんぼでもなんでも初心者の内は、鬼にならなかったり、負けてもベーゴマを獲られなかったりと、弱い者を救済してお互いが楽しく遊ぶシステムがあったんですね。それを、小学生の子供たちが実践していたわけですよ。
そいでもって、上達してくると次の段階に入るわけです。
要するに、負けないようにするにはどうするかという、工夫が入ってくるんです。
少しでも相手のベーゴマの下に入るように、ベーゴマの山の部分をヤスリで削って低くしたり、ぶつかる角の部分をケヅってみたりするわけです。
で、私たちも例にもれず、マイヤスリを一本、常に持ち歩いて、暇を見つけるとベーゴマの加工に励むわけなんですね。当時は、駄菓子屋にはベーゴマと一緒に、ノコギリの目立てに使うものと同じタイプのヤスリがおいてありました。200円ぐらいだったとおもいます。
今じゃ、信じられませんが、縁側の縁に小さな溝を掘り、そこにベーゴマを固定して、みんなで並んでベーゴマを加工しているわけですよ。しかも、小学校4,5年生の子供がですよ。
このベーゴマの加工がミソなんですね。やっぱり、才能というのがあるんですよ。というか、当時の小学生は、努力の範囲を超えて、才能の領域が必要になるまで、突き詰めた加工をしていたんですね。
私は、当時、ベーゴマの手仕上げで技術を学んだ人達が、現在、職人として活躍しているのではないかと本気で思ってます。
そんなんで、ほぼ全員の小学生がベーゴマの加工をするので、中にはとてつもない才能というか技術をもった奴が出てくるわけなんですね。私の同級生にもいました。小学校5年生にして、ベーゴマの加工を極めたやつがいたんですよ。自然の成り行きで、そいつは、「ベーゴマ10個やるから、1個加工してくれ」とかいう依頼が次から次に来るわけなんですね。
私は、そいつに負けるの嫌で、朝から晩まで、ベーゴマを加工していたんですが、とうとう、納得のいく加工は出来ずじまいでした。
それが、トラウマになっているんですね。
で、それを10年くらい前に思い出し、今なら、あいつに勝てるかもしれないと思い、40近いおやじがベーゴマを買って、加工しはじまったんですよ。
だが、しかし、But。
才能というものは、いかんともしがたいものなんですね。
あっけなく挫折。
40近いオヤジが、小学5年生の技術に勝てません。
そこから、さらに10年近い歳月が流れ、職場でふとしたことがらベーゴマの話題が出て、盛り上がったことから、それならということで、再度加工にチャレンジしてみました。
まっ、当然、同時の小学校5年生の領域には達してないんですが、諦めがつきました。
ひょうひょうとした気持ちで、ベーゴマを楽しむことが出来るようになりました。
下が、今回、私が加工したものです。

ちょっと、8面で仕上げました。
しかし、私の同級生の仕上げは、これを完全に凌駕する美しさでした。
ヤスリ一本で、正確にとられた8つの面は、真上から見ると、菊の花びらのように、それは美しく整然と仕上げられてました。その域には、まったく達してません。

角は、16面で削りました。昔は、32面で加工したような気がします。

ベーゴマを加工していて思い出したのは、当時、私が必死で加工しやっとの思いで仕上げたベーゴマの姿です。
40年近い歳月を飛び越して、脳裏に明確に臨場感溢れる姿で浮かび上がってきました。
記憶というのは恐ろしいものです。
ヤスリを当てた感触。
加工面の様子。
ちょっと歪んだ、文字と角の間隔。
全てを思い出しました。
三つ子の魂100までとは、よく言ったものです。
残された私の人生で、同じようなことがあるかどうか分からない感触でした。
ではでは。